「ーーーー俺はっ。

ただ、忠告しただけ。
戦うなって」


「また、戦ったのか?
助けたのか?」

また?

つか、初めてじゃないっぽい。
もしかして常習?

「いや、弱かったから勝ったけど、泣いてたから」

そう、泣いてたからーーーー抱き締めた。


「ーーーーあ、龍っ!!」



ーーーー!?


「あげは?」



髪をハーフアップにしたあげはがいた。


髪には、蝶形のゴム。
「それーーーー白がくれた奴?」

白?


「ーーうん、誕生日プレゼントにもらったの。
可愛い?」


「まあ、可愛いけどっ」

なんだか不機嫌になる隣の男。

「次はどこ行くの?」

ウキウキなあげは。



ギュッ。


はあ!?


手、握られてる!?


片方ずつ、掴んでウキウキなあげは。

「早くっ。
行こうよっ!!」




「「………」」


まじか。


つか、小さいな。

身体も、手もーーーー。
思わずちらっと見てしまう。

不機嫌な龍と目があった。

「あれ、白がプレゼントしたんだ?
不機嫌の理由。
不機嫌の理由が、小さいなっ」

軽く意地悪言ってやる。