「分かんないっ。
守られてるだけの、お姫様じゃ嫌っ」

はああ。

なんかーーーー。

「負けたよ、じゃあいいよ。
せいぜい目を離さないで、側にいることにするからっ。
車戻ろうーーーー。」

横付けされた黒いワゴン車。

助手席に乗る龍がいたーーーー。



「ーーーー龍っ。」


君が俺から離れてくっ。

助手席から降りてきた龍は、なんだか俺を睨んでる。


「龍も、買い物行くの?」





「あげはっ。
あげは、俺のもんだよなっ」


あ、と思う間もなく重なる唇。


ーーーーグイ。
咄嗟に、本当咄嗟に抱き締めていた。


「ーーーーレイくん?」

あ、、何してんだ。
俺はーーーー。

「買い物行きたいらしいから」

咄嗟に出た声は、そんな言葉。

「あー買い物なら、シュウに任せた。
それより、可愛くなり行くか?」


「ーーーー?」

元々可愛いじゃん。







その意味がわかったのはーーーー、すぐ後だった。