「あのさ、そろそろ泣き止んでよ。
さっき、思ったけど、なんか武術習ってる?」

泣きながらずっと抱き締めてる状態だ。

「ーーーーうん、紅牙に復讐するために、頑張ったんだけど、勝てなかったっ。
みんなにも、勝てなかったのに無理だよね」

ビュンーーーー!!


ーーーーガシッ。


おいおい。

いきなり攻撃。


「やっぱりダメか。みんな、強いねっ」


思わず腕掴んだけど。
細いっ。

「あの、離してっ?」

思わず掴んだ両手。


「押し返してみてよっ。
強くなりたいんでしょう?」

まあ、無理だろうけど。


「ーーーーっ、あれ?
力入れてるでしょう?」

「入れてないよ?
力入れようか?」


ただ抑えてるだけーーーー。

力入れたらさあ、こんなんじゃ無いよ?

グッと、力を入れてーーーー優しく壁に抑えた。


「ーーーーレイくんっ。
離して?」



ほら、無理なんだって。
だからさあーーーー。


「龍の姫なんでしょう?
戦わないで、男に勝とうと思わないで。

危ないからっ。わかった?」

だけど全然頷かない。