「泣き虫で、ごめんなさいっ」

あたしは最近、すぐ泣く。

最近、涙脆いかも知れない。

「よく、そんなんで紅牙と戦ったね。
ある意味、尊敬するよ。」

えーー?

「なんで知ってるかって。

君でしょ。紅牙の総長が本気で惚れたっ子って」



え、惚れた?

「あり得ない!!
そんなの違う。
アイツは最低な人だよっ。
何回も何回も、近づいて来て大嫌い!」


一度は、偶然出会った。


二度目だってたまたま。

「ーーーーただしたいだけで、付きまとわれてやっと捕まって安心してる。」



アイツが捕まって、本当安心してる。


「ーーーー本当に、そう思う?
アイツわかりにくいけど、何回も何回も近づいて来たんだったら、まじで好きだったんだろうね。

たしかに、悪いことしてたらしいけど。
弟使ってまで、会いたかったんだよ君に。
はい、コレっ」



え、何ーーー?



紙?

いや違う手紙だ。


怖いーー。
きっとこれは、紅牙のーー。



「やだ、いらない。


なんで、レイくんがそんなの持ってるの?
ツヨシさん、あたし帰りたい!

龍のとこに帰りたい!!」


泣かずには居られない。


「えっ、あげはちゃん!?」

車が止まって、隙を見つけて逃げて来てしまった。

スマホも、財布もない。