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大好きって言われたあの夜。

死ぬほど嬉しかったのに、まさかの旬の押しには、正直驚いてる。


車内は、異様な空気に包まれていた。


「ーーーー旬、あれどう言うつもり?」

険悪な雰囲気の中、白が口を開いた。

「何が?

みんなだってあげは、好きだろ?
つまり、宣戦布告」

ニヤリ、と笑う旬の胸に抱きついたまま寝ているあげは。

それこそ、無防備過ぎだ。

もっとこう、警戒して欲しい。

男ばっかの車内でーー、無防備に寝顔を晒すな!
だけど、そんな願いも虚しく消えて行く。

「ンッ」



ビクッ!!!!



びっくりした。

可愛い声。


俺は助手席に、座りーー後ろを振り返る。

安心仕切った顔して寝てるあげはを、見つめる野郎共に、イライラする。

「今日は、このまま帰るか。
明日また、仕切り直しだ!」


「だよね、なんだか疲れた。
結局、プレゼントも買えなかったしね!」

俺の意見に逆らう奴はいない。
まあ、夜中の零時になったらーーーー
"誕生日、おめでとう"って言うからな。