「見た?」


「見た、可愛すぎてやばい。
何あの笑顔」

二人が、そんなこと話してたなんて分からないまま、グングン前に歩いてく。

途端ーーーーピロンピロンピロン。

電話?


やばい、店からだ。

「"はい。あ、今日は夜からですよね。
はい、分かりました。あの、あたしーーーー仕事やめたいです"」


みんなと居て、闇の中が嫌になってしまった。
それにーーーー



"りいちゃん!"


会いたくない人がいる。


前までは、優しいお客さんだったのにーー。





「"無理だね。
特に、夜は。明日大丈夫だよね?
明日君待ちだよ。
なんなら、今日は休んで明日夜からね。
その方が、客も来るしね!"」


やっぱりダメか。


週末は特に忙しい。重なる様になってしまった誕生日。


「"はい、分かりました。
じゃあ、また明日"」


あんなに、あの場所が特別で幸せだったのにーー



今はーーーーーーあたしはみんなを見つめた。