「どうぞ、」と理事長が言うと先程の音の主が現れる。


 心の中で「μζπγθ」と唱える私には全く気づかずに、呑気にお辞儀をするところを見るとただの一般人のようだ。


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 姓 山本(やまもと) 名 凛太郎(りんたろう)
 レベル 1
 種族 人間
 性別 男
 年齢 32
 職業 教師
 スキル -
 【通常】スキル ‐
 【特殊】スキル ‐
 【祝福】スキル ‐
 【種族】スキル ‐


 MP 279
 STR 39
 VIT 14
 INT 9
 MND 10
 CHA 37


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 世界関係なく、STRは他のものと比べれば誰でも高いと決まっている。


 
 その二つ以外は、二桁以上あればまあいい程度だ。


 この担任は、初期ステータスであるのにMPはがかなり異常だ。



 うーん、魔力の増える実があるとか??



 少しの間、黙って考えていた私の肩を、理事長がポンポンと叩く。



 「どうした、鳴瀬(なるせ)?」



 この人の目の前で「黎」と呼ばなかったことには感謝する。


 ・・・山本凛太郎か。コイツは放っておいていい人間じゃないな。



 「・・・いえ、私は鳴瀬黎です。宜しくお願いします」



 山本凛太郎に丁寧なお辞儀をして、それからこの人間が私の担任だということがその後に分かった。