「……抵抗しないとこのまま食べちゃうよ?」

晒名の大きな手が、さらりと頬をなでる。

はっと我に返った私は、あわてて突き飛ばした。

「へっ変態っ!!」

「はっ!?
失礼だな。好きなコに触れたがるのふつーでしょ。俺一応男だし。」

「すっ好きなコ!?
今日あったばかりでしょ!」

「あったばっかりねぇ…。
…恋愛に時間は関係ない!
葵と俺は運命の赤い糸に結ばれてる、運命の相手だから。だまって俺に食されてよ?あ・お・い。」

「私は好きじゃないし、そんな糸存在しないから!仮に存在しても、今すぐぶっちぎります!!」

「はいはい。
帰るよ葵。デート行くよ」

誰も助けてくれることもなく、クラスメートから温かく、いいや!!冷たく手を振られ見送られながら、私は晒名に拉致られた。