虎太朗はすぐにアロハシャツを脱いで、Tシャツ姿になると、ステージに足早に登り、私の肩にサッとアロハシャツをかけた。

「肌だしすぎ…」不機嫌な声でささやく。

私の腕をつかみそのまま教室から私を連れ出した。

「待って、私裸足だよ」

立ち止まって私の足元を確認した虎太朗は
ヒョイと私をお姫様抱っこした。
 
「しっかり捕まっとけよ」

「ちょっ!?どこいくの?」

「決まってんだろ。人がいないとこ!」

「えっ!ちょっまって!まって!」
「待てない!」
強引に私を抱えたまま虎太朗は、静まりかえった別館の視聴覚室に私を連れ込んだ。

机に腰かけると、横抱きに膝に私をのせたまま、私の長い髪に指をとおす。
「葵、凄く綺麗。このまま…食べたい葵のこと」
肩にかかっていたアロハシャツがゆっくり床に落ちる。髪を撫でていた手が肩を滑り背中をなでた。

「ダメ!やっやめて、虎太朗…」

熱を帯びた虎太朗の熱い瞳が私をとらえる。 体中が熱い。ゆっくり顔が近づいてきて、私はそっと目をとじた。