「申し訳ございませんでした。ヒジリ様」
神社の本殿の一室。私は、兄の目の前で土下座をしていた。
兄の爽は、深いため息をついた。
「マナ、もう土下座はいい」
私は顔を上げた。
「お前のやりたいようにさせていたのは、俺だ。少々手助けもしながらな」
高校教師になってみたり、神社の宮司になってみたり。
「時を刈る話、『紫』の海斗にしたの?どうして?」
「どうしてかな」
兄は私に手招きをして、こう言った。
「海斗を1つにしたらもう、不死鳥には二度と戻れないぞ」
「はい」
兄は目を閉じ、小さく呪文を呟いた。
光の渦に飲み込まれる。
導かれる。
色が散らばって、1つになって、また散らばる。
廻る。
まるで一定の、法則があるかのように。
すごいスピードで動くようにものもあるが、ほとんど動かないものもある。
ここは無数に存在する、時の輪の中。
兄が作り出した世界。
私は1つのドアの前に立った。
「彼の部屋だ。俺は、家まで送った事があるからな」
私は息を飲んだ。
「しかしアイツ、相当な方向音痴だな」
兄は思い出して、笑った。
「会っておいで」
私は、ドアを開けた。
神社の本殿の一室。私は、兄の目の前で土下座をしていた。
兄の爽は、深いため息をついた。
「マナ、もう土下座はいい」
私は顔を上げた。
「お前のやりたいようにさせていたのは、俺だ。少々手助けもしながらな」
高校教師になってみたり、神社の宮司になってみたり。
「時を刈る話、『紫』の海斗にしたの?どうして?」
「どうしてかな」
兄は私に手招きをして、こう言った。
「海斗を1つにしたらもう、不死鳥には二度と戻れないぞ」
「はい」
兄は目を閉じ、小さく呪文を呟いた。
光の渦に飲み込まれる。
導かれる。
色が散らばって、1つになって、また散らばる。
廻る。
まるで一定の、法則があるかのように。
すごいスピードで動くようにものもあるが、ほとんど動かないものもある。
ここは無数に存在する、時の輪の中。
兄が作り出した世界。
私は1つのドアの前に立った。
「彼の部屋だ。俺は、家まで送った事があるからな」
私は息を飲んだ。
「しかしアイツ、相当な方向音痴だな」
兄は思い出して、笑った。
「会っておいで」
私は、ドアを開けた。