「一月が抱えている問題は、希望が想像しているよりずっと深刻なのよ。特に彼の“ジストニア”は、もう二度と治ることがないかもしれないからね」


そう言う志芳ちゃんの表情がくもる。


「ジストニア? なに、それ?」


「いずれ一月の口から直接きけばいいわ。無理に詮索せず、彼の話せるタイミングでね。私の口からは、これ以上は何も言えない…」


また一月君のことで謎が増えてしまった。


だけど、
ひとつだけはっきりと伝わってきたのは、


志芳ちゃんが一月君のことを、本当に大切に思っているということだ。


「見つけた。希望。
こんなところで何してるんだよ?」


「い、一月君!?」