志芳ちゃんはいつもの無表情でクールな態度を崩さず、腕を組んで質問する。
「うん。そうだけど…」と私。
本当は服従ゲームの命令に従って、付き合っている“ふり”をしているだけだ。
「希望から見て、一月はどんな人?」
志芳ちゃんは言葉を続ける。
「希望は一月の何を見て、
一月と付き合おうと思ったの?」
高圧的とさえ思える志芳ちゃんの言葉。
やっぱりいつもと様子がおかしい。
「それは…」
一瞬、言葉が詰まった。
けれど、出会ってから今までのことが頭をめぐると、自然と言葉が唇に浮かんでいた。
「一月君は、本当はとっても優しくて、子供みたいに無邪気な人だと思う。みんなからは冷徹王子だとか、孤高な存在だとか言われてるけど、きっと心の中では、誰か自分の居場所になってくれるよう人を探してるんだと思う」
ちょっと痛いこと言っちゃったかな?
でもこれが、
私の一月君に対する素直な印象だ。
「それで……一月の何を好きになったの?」



