「一月のことで、あまり人に聞かれたくない話があるの」と志芳ちゃん。


「志芳。希望と喧嘩するのだけはやめてよ。愛子、二人が気まずくなるのは嫌だよ」


めずらしく愛子ちゃんは不安そうな顔をする。


「別に。そういうことじゃないわ。愛子も席を外してもらえる?」


愛子ちゃんは私に視線をおくり、
私はこくりとうなずいた。


「いいよ志芳ちゃん。場所を変えよう」


こうして私と志芳ちゃんは教室を出て、人気のない廊下へ行った。


「一月と付き合っているって話……本当なの?」