みんなポカンとして「え? なんで?」「どうしてですか?」と声をもらす。


「だからさ。無駄なんだよ。おまえらがどんなに色目とか使って俺をおとそうとしても…」


一月君は私の肩を抱き寄せ、さらに体を密着させる。


「俺が愛せるのは、世界中で希望だけだ。おまえらには一滴も分けてやれねぇから。そのつもりで」


一月君はそのまま私を連れ、校舎の中へと向かう。


“俺が愛せるのは、世界中で希望だけ”


そんな甘い言葉に、胸がドキドキと高鳴る。


……だけど同時に、ツンとした痛みが走った。