「はいこれ。その家の住所」とお母さんはメモ書きを渡す。そして私を玄関までひっぱる。 「もうすぐ彼が来ちゃうから、 とっとと消えて……」 こうして私は家を出た。奴隷は奴隷らしく、邪魔になれば追い払われる運命だ。 外は妙に寒くて、不快な気温だった。