「希望の不安な気持ちも分かる。だが、もし海外に行ったら、希望が子供の頃からの夢だったシェフになる勉強を本格的に受けさせてあげられる準備もあるんだ」


「えっ?」


子供の頃からの私の夢。


シェフになること。


それは料理が好きな私が、誰にも言わずにそっと胸にしまっていた大切な夢だった。


「俺を救う意味でも、そして自分自身の将来のためにも、頼む希望。俺と一緒に来い」


お父さんが言うと今まで黙っていた一月君が「帰ってください」と突然、口をはさんだ。