「くそっ、なんで僕が!
一月なんかに! 一月なんかに!!」


蓮君は涙を流しながら悔しがり、地面を殴った。


「約束だ」と一月君は蓮君からスマホを取り上げる。


「データは削除させてもらうからな」


一月君はスマホを操作し、盗撮した動画のデータを削除した。


「ふふっ、まだ終わっていない…」
蓮君は奇妙な声で笑う。


「例え僕の持っている動画のデータを削除しようとも、僕のペット達も同じ動画を持っている。それを全部削除しない限り、希望はまだ僕の手のひらの上さ…」


「蓮。それじゃ約束が違う」


「約束? 僕はそんなのした覚えないね」


蓮君の言葉に、ついに一月君はキレて、胸ぐらをつかんだ。


「蓮! いいかげんに!」


一月君が胸ぐらをつかんだ勢いで、蓮君の首につけていた何かがシャツの外に飛び出した。