蓮君はボールをつきながら、一月君に近づく。 「なるほど。うまく丸め込まれた感はあるけど、一応の筋は通っているね。けれど…」 「なんだよ? 逃げるのか?」 と一月君。 「僕が? ふははっ、僕が万にひとつでも一月に負けるとでも? ……いいだろう。勝負しようじゃないか。負けた方が希望を諦める…」 蓮君はシャツの一番上のボタンを外し、ネクタイを取った。