蓮君と愛子ちゃん、恵三さんは家の玄関へと向かう。


「20時だ。それまでに決めるといい。もっとも僕は希望を手に入れるためなら、どんな手段でも使うつもりでいるからね…」


蓮君達がいなくなり、しばらく沈黙が流れた。


「くそっ! あのクズ!」


一月君は壁を叩いた。


「まさか愛子ちゃんが裏切ってたなんて、それに動画を共有されてるなら、下手に逆らえない…」


私が言うと、しばらく呆然としていた志芳ちゃんは立ち上がり、玄関へむかった。


「どこへ行く気だよ?」
「もう、私達の負けよ…」
いつになく弱気な声の志芳ちゃん。


「あとは二人だけの問題。だから二人で考えて、できるだけ賢明な答えを出しなさい…」


そう言い残して、志芳ちゃんは立ち去った。


どうやら志芳ちゃんも、
諦めてしまったみたいだ……。


「どうする? 希望…?」