恵三はナイフを取り出し、喉にかざした。


「このペットが死んじゃうからね…」


一月君は足を止めた。


「おい、何してんだよ!?」


「いいの。私は蓮様のペット。蓮様に利用されて死ねるなら本望」


恵三はまるで機械のような無表情でそう言った。


「従順だろ? 僕のペットは…」


蓮君は恵三に近づき、ナイフを手に取る。そして恵三の唇にキスをした。


「僕のためには死ねるし、僕のためなら…」とナイフを恵三のほほに滑らせる。


「こんなことだってできちゃうんだからね…」


恵三のほほからたくさんの血が流れる。恵三は無表情のままだ。


「ほら、笑えよ恵三…」


蓮君が言うと、恵三は血を流したまま、にっこりと笑った。


「洗脳したのか? 女を?」
と一月君。


蓮君は笑ったままだ。


「テメェ、女をなんだと思ってやがる?」