その言葉に一月君は恵三さんに飛びかかり、胸ぐらをつかんだ。


「テメェ。何のために希望にそんなことを?」


恵三さんはにやっと笑う。


「あなたのためよ。一月君」
「はぁ?」


「私は一月君のことを愛しているの。誰よりも深く、激しく。だから希望なんかと一月君が付き合っていることが許せなかった。一月君の彼女に希望なんかがふさわしいわけないわ!」


恵三さんの言葉に一月君の目に強い殺気が帯びる。


「ダメだよ! 一月君!」


私が言うと、一月君は「ああ、分かってる」と言って恵三さんから手を離した。


怒りに満ちた一月君にも、私の声なら届くみたいだ。


「恵三。ひとつ私からも訊きたいわ」
と志芳ちゃん。