日が沈み始めた頃、恵三さんの尋問が始まった。


「この手紙に見覚えはあるか?」
と一月君が脅迫文を見せ、訊く。


恵三は何も答えずに、下を向いている。


「黙っていても無駄だ。恵三の足先に小型カメラがついていただろ?」と蓮君がさっき恵三さんの靴から回収したカメラを見せる。


「そして刃物で希望ちゃんを襲った事実。状況証拠は、十分にそろっている。観念して白状したらどうだい?」


蓮君の言葉に、恵三さんは「ふふっ」と笑い。


「ええそうよ。その手紙を書いたのは私。全部、私が仕組んだことよ」