「うわぁぁあ!!」


家中をバイクでかけ、男達を容赦なくぶっ飛ばしていく。


さすが冷徹王子。


私はその間に落ちていたナイフでロープを切った。


「やろうっ!!」


男のひとりが拳銃を取り出す。


「一月君っ!!」


バンッ!! と乾いた音が響く。


銃弾はバイクにいた一月君には当たらず、冷蔵庫を貫通する。もうこの時点で一階はめちゃくちゃだ。


「やべぇ。銃にはさすがに勝てねぇわ」


一月君はバイクで私の方に近づく。


「希望! 手を!」


バイクを運転しながら、一月君は手を差しのべる。


「うんっ!」


私は一月君の手を取る。一月君は引き上げるようにして私をバイクの後ろに乗せた。


「くそっ! 逃がすか!」


男のひとりがまた発砲する。


けれど一月君は銃弾を華麗に避けて、私達はなんとか家から脱出することができた。