蓮君と教室へ戻る途中、廊下で、肩を支えられながら、ぐったりと歩く女子生徒に遭遇した。


「ひどい怪我……どうしたんですか?」


私は思わず声をかけた。


支えられている生徒は三年生で、顔があざで青っぽくはれあがり、髪はところどころ乱雑に切られていた。


「なんでもないの…」
「でも…」
「本当になんでもないから…」


その生徒とすれ違うとき、怪我をした子が、昨日、私と一月君に“付き合っている証拠を見せろ”と言ったエリさんであることに気がついた。


二人は私の少し後ろを歩いていた蓮君とすれ違う。


そのとき、


「きゃっ!」