屋上で、私は蓮君とお昼を食べた。


「希望ちゃん、今日は風が気持ちいいね」
「うん。そうだね」


蓮君とは、出会ってから初めてじっくり話した気がする。


改めて分かったのは、蓮君はとっても聞き上手だということ。そしてなにより、人の感情や気持ちの変化にすごく敏感だってことだ。


「希望ちゃん。なんだか二時間目の前に会ったときより元気ないね。何かあったの?」と蓮君。


「ううん。なんでもない…」


「嘘。一月のことで何かあったでしょ?」


図星をつかれ、思わずうつむいてしまう。


「やっぱり。……はぁ、一月は本当に、女の子を悲しませる天才だね」


そう言って蓮君は私の手を握ると、グーに握らせた。