ガタッ!


「誰だ!?」


動揺して、ものを倒してしまった。私はバレないようにその場を離れる。


……涙が止まらなくなった。


やっぱりあの二人、
付き合ってたんじゃん……。


じゃあなんだったの?


一月君が私にしてくれたキスは…?
私の心を奪ってしまった甘い言葉は…?


私に打ち明けてくれた、
一月君の辛い過去は…?


……全部、私をからかっていただけ?


私は志芳ちゃんといられない寂しさを紛らわせるための、ただの“抱き枕”だったってこと?


黒い感情はどんどん胸の中で広がり、私の心は黒一色で染まっていた。


「許さない。一月君も、志芳ちゃんも…」