朝になって気持ちが落ち着いたのか、一月君はいつものクールな雰囲気をまとっていた。


「そんなことないよ。むしろ私、一月のことたくさん知れて嬉しかった」


「そうか。次はもっと、希望の話も聞かせてもらうからな」


一月君は少し微笑んだ。


「バスケの練習は続けるの?」


「ああ。色々考えたけど、やっぱりバスケは諦めたくない。練習は続けて……いつかはジストニアを克服してみせる」


一月君の目には、昨日よりも希望を見るような光がさしていた。


「頑張ってね。私、応援してる」


「ああ、ありがとな」