「ジストニアは、強い精神的なストレスによって発症するケースが多い。俺の場合、チームメイトにいじめられて、仲間への信頼を失ってしまったことが原因なんだ…」


私は一月君の腕を握る。彼の体が、小刻みに震えていることが分かった。


「きっと俺は心の奥で、人間って生き物に失望したんだと思う。人間はどんなに信用しても、嫉妬や、妬みなんかで簡単に裏切る最低な生き物だってな。


……そんな奴らとバスケをすることを無意識に体が拒否したんだよ。そのせいで、俺は大好きなバスケができなくなったんだ…」


一月君の言葉には、深い絶望の色が帯びていた。