お前がいる場所が、好き。Ⅰ


夕方ごろ、学習を終えたわたし達は塾を出て歩き始めた。



「ねえ、今度3人でどこか行きたいね!」



美咲が、楽しげに話しかけてくる。



「いいね、それ! どこ行く?」



奈緒も珍しく、少し落ち着きのない感じで相槌を打った。



「美咲が体調良くなったばかりの時に行ったところも良いけど、どうしようか?」



わたしがそう言った途端に、携帯からメールの着信音が流れた。



「ちょっと待って、メールが来た」



わたしはバッグから携帯を取り出し、新着メールを確認する。



「寺本……!」



わたしにメール送った相手を見てみると、『寺本』という2文字が書かれてある。久しぶりの、彼からのメールだった。



「何々?」



「どうしたのー?」



びっくりしすぎたのか、携帯を持って固まったままわたしを見て、2人は瞬きを繰り返している。



『来週の日曜日、夏祭りに一緒に行かね?』



「え!? 今度は、夏祭りでデート!?」



携帯を覗き込んだ美咲が、黄色い声を上げた。



「そうじゃないってばー!」



「でも、行くの?」



奈緒が聞いてくる。
行くか行かないか、の二択で言ったら、行きたい。



「う、うん」



わたしはぎこちなく頷いてから、新規メールを作成した。



『誘ってくれてありがとう。夏祭り、行きたい!』



わたしは、そう文字を打って送信した。