次の日の朝、わたしは教室で奈緒と美咲に川野くんのことを全て話した。
「……と、いう訳で桜花ちゃんの元カレとの問題は解決したんだ」
わたしの話を聞き終えて、2人はぱあっと花が咲いたように明るい表情になった。
「そうなの!? 良かったぁー!」
美咲が、胸を撫で下ろしながら言った。
「『桜花がいなかったら、変われなかった』、か」
美咲の横では、奈緒が考え込むようにそう言っている。
「栗原さんには、感謝もしてるんだね」
「でも、本当にびっくりした。桜花ちゃんに何かしてくるんじゃないかと思ったけど、本当に変わったんだなーって」
桜花ちゃんを池に落とした彼が、あんなに大人になっているだなんて、全然親しくないわたしも本当にびっくりした。
「でも、1番びっくりしたのは栗原さんだよね。彼のことは、栗原さんが1番よく分かってるし」
「うん、栗原さんが1番一緒にいたからね」
2人とも頷き合って話している。桜花ちゃんの心にある傷は、彼女にしか分からない。
「今日、久しぶりにみんなで塾の後、一緒に無駄話しながら帰ろうよ!」
美咲は、大きくて可愛い目をパチパチと瞬きさせながら言った。
「そうだね、最近ずっと相談ばっかりだったから」
久しぶりに親友と一緒に楽しく過ごせるのが嬉しくて、わたしも少しテンション高めに相槌を打った。



