桜花ちゃんが泣き疲れて、ハンカチで涙を拭いた後は、またわたし達は帰り道を歩き始めた。
そういえば、わたしは知世ちゃんに桜花ちゃんを守るために協力してほしい、というお願いをされて今まで一緒にいたけれど、何もしていないことに今になって気がついた。
「結局、わたしは何も協力しなかったけど」
これじゃあ、わたしはただいるだけの野次馬みたいだ。
「ううん、沙織ちゃんは協力してくれたよ」
桜花ちゃんが柔らかな笑みを浮かべて言うと、知世ちゃんも隣でうんうんと頷いてくれた。
「え? いつ?」
「桜花の過ちを許してくれた時から、ずっと」
「え?」
許すことって、特に協力したうちには入らないと思う。だって、許しただけでは何も守ったことにはならない。
「桜花がやったことを許して、沙織ちゃんも助けてくれたんだよ」
「それに沙織ちゃんは、修二くんともう一度会って気持ちを分かってもらうように提案する。沙織ちゃんがいなかったら、わたしはずっと怯えたままだった」
知世ちゃんと桜花ちゃんは、わたしに微笑んで順番に言った。
「沙織ちゃん、ありがとう」
次は、2人とも同時に言ってくれた。その瞬間、わたしはあたたかい気持ちになった。
もう夏で、少し汗もかいているけれど全然暑い感じはしなかった。



