それに気付いた時、僕の心が少しざわついた。




たまたま彼女と席が近かった僕は授業中もぼんやり視界の端に彼女を捉える事があった。

単なる興味。

ほんと、真面目ちゃんだよね。

頭ん中、英単語か数式しか入ってないんじゃないの?

空気になりすましちゃって頭ん中じゃ、クラスメイトバカにしてたりして?

そんな事を思ってる僕もそうだけど。

周りでは僕の事を神様八神様だとか呼んでるけど僕の素顔知ったらきっと悪魔か大魔王だって驚くだろうか?

そんな事を思いながら再び視線を彼女に戻すとーーー

彼女の視線はある人へ向けられていた。

真っ直ぐに。

今さっき、彼女が落とした消しゴムをスッと拾って彼女に手渡していった、

岡崎先生の背中を見ていた。

色白の彼女の頬が少し高揚していた。

それはどんなチークでも敵わない色をしていて…

綺麗だなって思った。

その横顔が一瞬で僕の脳内に焼き付いた。

手渡された消しゴムをギュッと手に握りしめ先生の姿を追うその横顔にーーー

僕の胸がざわついた。