毎日、失恋。

あまりの格好よさに直視してられなくて、慌てて顔を反らして前を向く。

「そ、そうだね。イケてる人間だよ、八神くん。完璧な人間だね。うんうん。人間、人間。」

照れ隠しから冗談混じりに言ってしまう。

「なんだよ、それ。適当だな。まっ、いいけど。それよか、言いたいのはさっき、僕が高橋さんに意地悪ばかりするって母さんに言ってただろ?」

「あっ…き、聞こえてた?」

「聞こえてました。」

うわ…、まるでお母さんに言いつけたみたいだよね。

「だ、だって、ほんとの事だもん。八神くん、私に意地悪ばっかりするし。」

バツが悪くて自然と早歩きになる。すると、

「ねぇ、なんで僕が高橋さんに意地悪すると思う?」

これまでとは明らかに違うトーンで八神くんが聞いてきた。

「えっ…」

振り返ると八神くんが真っ直ぐこちらを見ている。

「なんでって、そりゃぁ…面白いから?」

他に何があるっていうのよ。

学校では息を潜め空気になりすまし、その癖、自分勝手な思いから先生に八つ当たりしてる私をからかうのはさぞや面白いだろうし。