毎日、失恋。

「ごめん、無理させた…よね?」

「本当に思ってる?」

片肘をついてもう片方の手で私の髪をクルクルとさせて遊ぶ八神くん。

「うん、思ってるよ。夢中になり過ぎたなって。雨も上がってるしきっと電気ももうつくんじゃないかな。」

「ほんと?えっ、なんで電気つくってわかるの?」

「だってほら、窓の外、明るい。」

言われて窓の方を見てみれば…確かに街灯に明りが灯ってる。

いったいどれほどの時間を私達はこうしていたんだろうか。

「点くか確かめる?」

「ダメっ!」

起き上がって部屋の電気をつけようとする八神くんを慌てて止める。

だってこんな姿、明るいところでなんて見せれるわけがない。

「いいじゃん。もう全部見てんだから。佐奈だって僕の体をーー」

「ダメなものはダメッ!」

「わかったって。冗談だよ。嫌な事はしない。」

そう言うと私の頭の下に腕を回してそのままギュッと抱きしめてくれる。

「大切にする。今日のこと、後悔させないよう今まで以上に佐奈のこと、大切にするから。」

八神くんの思いがストレートに伝わってきて胸の奥が締め付けられる気がした。

「八神くん…後悔なんてしないよ。だって私、八神くんとこうなりたかったから。だからね、今凄く、幸せ。」

「あーもう…ちょ、マジで煽るの止めて。」

八神くんは私の頭を自分の胸に押し付けると、さらにキツく抱きしめた。