毎日、失恋。

雨の音が響く中、私の耳には八神くんの心臓の音がトクトクトクと早く鳴っているのが聞こえる。

「私ね…、八神くんに触れてほしい。もっとたくさん…それは今、こういう状況だからっていうんじゃなくて…とても自然に感じてた。最近…、ずっと。」

「佐奈…」

漸く八神くんはゆっくり私を抱きしめてくれた。

それもとてもとてもふわりと優しく。

「だからね、きっと私の中で準備が出来てるって事だと思うの。八神くんの…全部を受け入れる準備が…」

我ながら相当恥ずかしいことを言ってるなって自覚はある。

だけどうやむやにはしたくなかった。

例え、そういう事にならなかったとしても今の私の気持ちは知ってて欲しかった。

こんなにも八神くんの事が好きなんだよって。

なのに返ってきた言葉はーーー

「ねぇ…、佐奈は僕を殺すつもり？」

「えっ…な、なんで？」

思わず顔を見上げると、

「心臓がバクバクし過ぎて僕、死ぬかも…佐奈に殺される…」

「八神くん…もぉ、なにそれ。」

って手を振り上げたらそのまま掴まれた。

そしてーーー