毎日、失恋。

「つまり、この家には佐奈と僕だけだ。他には誰もいない。付き合ってる男女がひとつ屋根の下にいるんだよ?分かってる?」

ひとつ屋根の下…

付き合ってる男女が…

「…………あっ、あぁ…」

そっかぁ、八神くん私に気を使って…

「やっと理解した?」

「はい…」

「まぁ、そういうことだから。僕はここにいるよ。マジでさっきも抑えるの必死だったんたから。」

そっぽを向いて答える八神くん。

「ああ…さっき…」

だからかぁ…だからさっきキスしてもらえなかったのか…。

だけど、

だけど、

「私…」

「ん?」

「私…八神くんなら…い、いよ。」

一瞬、躊躇ったけど…でも私の気持ちをちゃんと伝えたい。

「佐奈…、ありがとう。でも無理しなくていいよ。ゆっくりで…ってうわっ。」

八神くんの胸に飛び込んだ。