「佐奈、動揺しすぎ。別に処女なんてさっさと捨てちゃえばいいかなぁとも思うんだけどーーー」

「ダダダダダダメっ、駄目だよ。自分の体大事にしなきゃ。」

中2の言葉に全力で動揺する二十歳ってどうなんだろ。

いや、だけどここはちゃんと伝えなきゃ。

「ちゃんとその年齢にあったお付き合いをするべきです。明《めい》ちゃんはとても落ち着いていて私よりもずっと大人な考えも出来るけれどでもやっぱりまだ体は成長途中です。そ、そういった…か、体のお付き合いは…心と体がちゃんと大人として伴ってからでも…遅くはないかと…思います。」

私だってそう思うからこそ八神くんとこの二年、キスはするけれどそれ以上の事はまだ…

でも最近、ちょっと思うこともある。

もっと触れてほしい。もっと触れたいって…

って、私、明《めい》ちゃんを前にして何考えてんのよっ。すると、

「佐奈ってよく一人百面相するから見てても飽きないね。あんなにもハイスペックなお兄ちゃんが見た目限りなくフツーの佐奈と別れず付き合ってるのなんか今わかった気がするわ。」

「あはは…」

これは誉められた…のか?

「褒めてないから。」

「ひぃっ。」

心の声が読まれてる。

「でも…そうだね。佐奈の言うことわかる。この人にならって思える相手じゃないし今の彼は。そうだ、明日にでも別れよって言おうかな。いや、もうメールしちゃうか。」

「あはは…」

本日、何度目かの苦笑いを残し明《めい》ちゃんの部屋を後にした。