あまりのギャップのある言葉のチョイスに一瞬戸惑ったけど直ぐに吹き出した。

「岡ちん、マジかよ…おもしれぇ。」

佐奈を見るとポカーンと口が開いたままだ。

きっと僕と岡ちんのやり取りがよくわかってないのだろう。

わからなくて良いけどね。

「八神くん、良いですか?もう一度念を押しますがくれぐれもそこのところどうぞ宜しく。」

真剣な顔して言うから僕も真面目に答えた。

「もちろん、泣かしたりしない。ずっと笑顔であることを約束するしこの手も離さない。」 

佐奈の手を取り岡ちんに繋いだ手を見せる。

「八神くん…ありがとう。」

そうだ、佐奈のこの笑顔を僕はこれから先も守りたい。

「それなら結構です。さぁ、教室の鍵を締めます。暗くなる前に彼女を家に送り届けてください。それともーーー僕なら車で送れますが?」

ニヤリと笑いながら僕に向けて言う岡ちんは案外、策士なのかもしれないな。