毎日、失恋。

「どうぞ。」

そんな気が無いとは言え、夜遅くに女の子の部屋に入るのもどうかと思うし…

「ここでーー」

「どうぞ。」

梨杏の有無を言わさぬ迫力に僕は渋々部屋に入った。

けれど僕の心配は無用だった。

「お疲れ様。こんな時間に女性の部屋を訪れるなんて感心しないわね。」

そこには梨杏の敏腕マネージャー杉中さんがいた。見た目からしてバリキャリの杉中さん。梨杏がメディアに取り上げられるようになったのもこの人のお陰だろう。

寧ろ、今から話す内容にこの人がいたのは好都合かも。そんな事を思いながら先に

「すいません、緊急だったもので失礼を承知でここに来ました。」

「それで?私になんの用?」

「実はこれから一番早い便で日本に帰りたい。」

「はっ?まだ撮影全部終わってないのよ?」

「梨杏、彼の話を最後まで聞きましょう。一体何があったの?あなた昔から途中で投げ出すなんてしなかったじゃない。」

そうだ。

杉中さんは僕のモデル時代をよく知る人だ。

僕は明《めい》から聞いた話を全て伝えた。