「おかしいと思うよね?でも、僕にとっては凄く当然な事なんだ。神様に許されてもグレース、君に許されなければ意味がないからね」

そう言ってグレースの両手を包み込むように握って、ヴェネディクトはその場に跪いた。

「グレース、僕は君にいくつか嘘をついているんだ。君が勘違いしているのをわざと誤解させたままにしている事もある。その申し開きをさせて欲しいんだ」

握り合った両手に額をすり付けて、許しを願うようにヴェネディクトは語り出した。