しばらくして少し赤い目をした香椎が階段から降りてきた。

壁に寄りかかり腕を組んでいた俺に気がつき目があった。

「間違えて買ったからあげるよ」
香椎にいちご牛乳をポンと投げた。

「さすがバスケ部、ナイスパス!
あっいちご牛乳」
手元を見て彼女から笑顔がこぼれた。
「香椎好きだろ?」
「うん!」

「…ありがとう」

「どういたしまして」

「そうじゃなくて…ありがとう」

「ん?なにが?」

「ううん、何でもない!」