教えて、世界。【短編】

鈴原が心臓の病気で手術すると聞かされたのは僕と彼が放課後話すようになって三ヶ月が過ぎた頃だった。

確かに最近、学校を休みがちだった。

早退も多かったし。

体育も見学したり…

噂では芸能事務所にスカウトされてそれで忙しくて学校を休んでいるんだって…みんな口々に言ってたのに。

もしかすると助からないかも?

難しい手術だって?

そんなバカな…

僕は彼とこの三ヶ月間交わした会話を振り返った。

鈴原はいつだって本当の事を話してた。

冗談のようでいて…全部が本当だ。

初めて彼が音楽室に来た時に言った言葉も…

ーーー僕さ、死ぬかもしれないんだ。