その日以来、鈴原は時々、放課後になると音楽室に来るようになった。
地味な僕をまたからかいに来たのか?と初めは警戒したけど彼は特別何をするでもなくただ僕がピアノを弾くのを黙って聴いていた。
そんなことが何日も続くうちに僕と鈴原は少しずつ会話をするようになった。
と言ってもそのほとんどは鈴原の独壇場。
僕はただ相槌を打って鈴原の本当かどうかもわからないような話をいつも聞いていた。
ある時、鈴原が聞いてきた。
「篠崎くんてさぁ…もしかして色、わかんなかったりする?」
「えっ…な、なんで?」
別に隠してる訳じゃないけど敢えて言うこともしていない。
心のどこかに自分は不良品だという引け目があるのかもしれない。無意識にね。
「間違ってたならごめん。時々、色を選ぶとき迷ってるなぁって。たまに間違ってる時もあるし。だから、そうなのかなってちょっと、思った。」
「ああ…。」
地味な僕をまたからかいに来たのか?と初めは警戒したけど彼は特別何をするでもなくただ僕がピアノを弾くのを黙って聴いていた。
そんなことが何日も続くうちに僕と鈴原は少しずつ会話をするようになった。
と言ってもそのほとんどは鈴原の独壇場。
僕はただ相槌を打って鈴原の本当かどうかもわからないような話をいつも聞いていた。
ある時、鈴原が聞いてきた。
「篠崎くんてさぁ…もしかして色、わかんなかったりする?」
「えっ…な、なんで?」
別に隠してる訳じゃないけど敢えて言うこともしていない。
心のどこかに自分は不良品だという引け目があるのかもしれない。無意識にね。
「間違ってたならごめん。時々、色を選ぶとき迷ってるなぁって。たまに間違ってる時もあるし。だから、そうなのかなってちょっと、思った。」
「ああ…。」



