「何これ」
そのにはビリビリに破られたドレスがった。
「どうしたんですか?」
「うわ!」
「何これ」
「せんせー!サラさんのドレスが」
「まぁ、どぉするのこれ?」
「大丈夫です……」
「先輩。もう出れないんじゃないですか?」
「え?」
「ほら見てくださいよ。会場のみんながこの写真、持ってますよ」
「それ!もしかしてあんたも3年生の仲間?」
「はい!そうですよ。私あなたが嫌いなんですよ。ブスが急に本性だしてまじきもい」
「っ。」
自分でも分かっていた。
同業者からは好かれていないと。
知っていたけど……もう出なくていいかな。
そう思い、重たい足をうごがした。
会場の期待が高まる中、娘の姿は見当たらない。
不思議に思い鳳に連絡してみると。
「サラ?」
「お母さん。なんでここに」
サラの母親、葉多姫 サヨリ。
デザイナーであるサヨリは、サラと会うのは約2年ぶりだ。
「こんな所で何してるの?コンテストに出るんじゃないの?」
「お母さんには関係ない。別に出なくていいし」
「そう。楽しみだったんだけど」
「もう行って。1人になりたいの」
「分かった、って言いたいけど。無理。何か隠してるでしょ?」
「隠す?なにを」
「コンテストに出ない理由。私はこれでも母親よ。サラが悩んでることなんてすぐ分かる。」
「っ……」
「どうしたの?」



