「お電話を頂いたものですけど。
ユウにとってテレビ出演は命と同じほど大切なんです。」
「あのお電話の方ですか。失礼ですが私たちにも事情があるんですよ。」
先ほどとの態度の違いに腹が立つ。
上から目線で自分のことしか、考えていない。
こんな人がいるから世の中は暗くなっていくんだ。
「分かりました。じゃあ引き受けますよ」
「は?」
「ユウ。来て」
手に取ったのはメイク道具。
崩れかけていたメイクを直し赤で締める。
髪は濡れているためオールバックで、かきあげ、衣装のボタンを少し空ける。
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