2階に上がると、
「無事だったんだねーーーーーー!!!!!良かったーーー!!!」
と、明日葉が抱きついてきた。
明日葉からいい匂いがする……甘い…香水の匂い…
「お前らも夜は暴れるから今のうちに仮眠くらいとっとけ」
詩優がそう言うと、
「1番寝てないのはお前だろ。詩優」
と竜二さんがため息混じりに言った。
「そうよ。総長が睡眠不足で動けなかったら困るでしょ」
パソコンのキーボードを素早く打つ京子。
「なんならひめちゃんに添い寝でもしてもらったら?」
と、欠伸をしながら言う倫也。
…添い寝!?
「…おいで。花莉」
詩優が両手を広げる。
…え?
「しょうがないなぁー。花莉譲ってあげるよ」
明日葉が私から離れた。
…まるで動物が飼い主さんに呼ばれるような感じだけど……
詩優の方に1歩、2歩、と足を進める。
…変な話だけど、動物の気持ちがわかる気がした。
「奥の部屋行ってくる」
詩優が私の手をとって、1番奥にある扉を開けて中に入る。



