しばらくたって、詩優が部屋に入った。
私がぎゅっと抱きつくと、強く抱きしめ返してくれる。
「…"狼犬"が…花莉を捕らえた…っていうから心配した…」
…え?それで……電話して…?
「…私なら…ずっとここにいたよ」
「…怖かった」
詩優が私の耳元で弱々しく呟く。
その声にドキドキして、心臓が壊れそうだ…
「……詩優は…怪我してない…?」
「大丈夫」
しばらく抱きしめあったあと、
「倉庫行こ」
と言って、詩優に手を引かれて外に出た。
詩優を襲った男はもういなくて、ナイフも落ちていない。
…康さんが運んだのだろうか
私は詩優のバイクの後ろに乗せられて、連れてこられたのは雷龍の倉庫。
「「「「「「「「「「「「「「「こんにちは」」」」」」」」」」」」」」」
と雷龍の人たちが頭を下げてお出迎え。私もつられて頭をぺこり、と下げる。
「お前ら今日の夜には殴り込み行くから仮眠とっとけよ」
…殴り込み?
詩優がそう言うと、
「「「「「「「「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」」」」」」」」
と、揃った声が返ってくる。



