冷たい雪が制服を少しずつ濡らす。




私の声なんて誰にも聞こえるわけないし…誰もこっちに気づかない




「離して!!!」




私は握られていない方の手でポケットからスマホを出し、太った男めがけて思いっきり投げつけた。




「痛っ」



太った男の腰に当たってからガシャン!とスマホが地面に落下




手が離れると、私は来た道を戻ろうとする




けれど……




パシッ、とすぐに腕を掴まれてしまった。




ぎゅーっと力を込められて、握り潰されてしまうんじゃないかと思うほど…




「…いいや。花莉ちゃんが初めてだって聞いたからホテルでしようと思ったのに…


もうここでもいいね」




そう言って太った男は私の手首を片手で押さえつける。背中には冷たい建物の壁…




「やだっ!!!!!!誰か!!助けて!!!」




必死に声を出すも誰一人として、こちらに気づかない。




「何言ってるの。花莉ちゃん……その赤いリボンしてるってことは…好きなだけ犯していいってことでしょ?」




………なに……言ってるの……




リボンをとられ、思いっきりブラウスを開く




ブチブチブチブチ、と地面にボタンが飛び落ちた。