仕事を途中で投げ出すわけにも行かず…




私は仕方なく太った男にされるがまま、タクシーに乗せられた。




外はもう雪が降っていた。ぽつり、ぽつり、と…




それをただ、タクシーの窓から眺めていた。





10分くらいタクシーに乗って、そこから少し歩いたところ…





私は思わず路地裏で足を止めた





だって…路地を抜けた先には……










ホテル街が見えたから……




男女が腕を組みながら歩き、街がキラキラと輝いている。






「どうしたの?花莉ちゃん。怖くなっちゃった?」




太った男が私の顔を覗き込んでくる。こくこく、と頷く私……




だって……ここまで来たら…何されるかわかる……





「大丈夫!初めはみんな緊張するよ!僕が気持ちよくさせてあげるから安心してね」




ぐいっ、とまた手を引っ張られ無理矢理連れていかれる。




「やっ!やだっ!!離して!!」




私が必死に声を上げると、



「その赤いリボンしてよく言うよ」



と、太った男に笑われた。




…赤いリボン…?