「花莉はここに残りなさい。無理してまで、私についてこようとしなくていいのよ。

夜瀬くん、何回も頼ってしまってごめんなさいね……もし良かったらなんだけど、しばらくの間花莉と一緒に暮らしてもらえないかしら」





お母さんがそう言うと、




「…ぜひ……っ!!」





と答える詩優。





「本当にありがとう、夜瀬くん」




…私は、ただ2人を見ていることしかできなかった。
自分の頭で理解するのに時間がかかっているから……




つまり、私は…
転校しなくてよくて……ずっとここにいられるってこと…!?





詩優と…離れなくて…いいの……?





途端に安心感がこみ上げてきて、ぽたりと涙が溢れた。




…昨日から泣いてばかりだ……





「…ありがとう…お母さん……」





私はお母さんにぎゅっと抱きついてしばらくの間涙を流した。